名門大から奨学金オファーが殺到!元高校球児に聞くアメリカ野球留学

名門大から奨学金オファーが殺到!元高校球児に聞くアメリカ野球留学

東北高校卒業後、アメリカのマウントフッド大学に野球留学した西田陸浮さん。昨年はリーグ盗塁王に輝き、大学の各リーグをまたいだベストナインにも選ばれ、今シーズンも打率.422でリーグ2位、盗塁38でリーグ1位(4/28時点)の成績を残しています。こうした活躍により、西田さんの元にはアメリカの大学最高峰の「NCAAディビジョン1」から奨学金のオファーが殺到。アメリカの大学事情に詳しい、アスリートブランド社の根本真吾氏は「西田さんが誘われた大学は全米でも指折りの大学ばかり。日本の高校野球で頑張ってきた元高校球児が、アメリカの大学で活躍をしてこういうチャンスを掴むことができる時代になった」と話します。 最終的にはPAC12というアメリカでも大人気のカンファレンスに属するオレゴン大学に、返済不要の奨学金付で進学が決まり、先日入部同意書にサインを済ませました。 そんな西田さんに、留学を決めたいきさつ、アメリカの大学野球事情、数あるオファーからオレゴン大学を選んだ理由など、アメリカ野球留学の色んな話を聞きました。 留学の決め手は野球をしながら英語を学べること  ——西田さんがアメリカに野球留学しようと思ったきっかけから教えてください。そもそもですが、大学で野球をやるつもりはありませんでした。野球は好きなんですけど、それよりも早く経営者になりたいという目標があったんです。ですので、野球を続けるモチベーションが湧かなかったんです。そんなときに父から「アメリカに留学してみたらどうや?」と言われたんです。アメリカだったら好きな野球を続けながら英語を学ぶこともできますし、それは経営者になるという夢にもプラスになるなと思ったんです。それがきっかけですね。——語学力に自信はあった方でしたか?英語の成績は最悪でしたね。渡米前にアルファベットから勉強するようなレベルでしたから(笑)。でも高校卒業後からアメリカの大学に入学するまでに半年ほど時間があるのでそこで英語を勉強しました。最終的に大学での英語のクラスをスキップ出来るくらいにはなりました。授業も全てもちろん英語なんですけど、なんとかついていけています。野球でも内野が集まって行うミーティングでも普通に英語でやりとりできています。野球に関していうと、自分がある程度の成績を残せたことが大きかったと思います。アメリカはやっぱり結果を出した人間をリスペクトしてくれますから。そうなると多少言葉がわからなくても認めてくれるんですよね。 全米のエリートが集まるリーグからの招待 ——留学先の大学はどのようにして選んだのですか?アメリカの大学5校を回って紅白戦をやってプレーを見てもらって、そこからオファーをいただいた中から選びました。コーチが熱心に誘ってくれたのと、チーム内に競争があるのも自分に向いているなと思い、マウントフッド大学を選びました。——日米の野球の違いはどんなところに感じますか?とりあえず、こっちの選手はみんな身体が大きいですね(笑)。2年制大学にも150キロ以上投げるピッチャーもゴロゴロいますし。日本だと150キロ投げられたら学生時代の成績に関係なくポテンシャルが評価されてほぼプロにいけると思うんです。でもこっちでは150キロ投げられる+成績、実績も必ず見られますね。そこに違いを感じますね。何事も成績、実績という数字で評価されますね。——「ケープコッドリーグ」というリーグに招待されたそうですが、どんなリーグなのですか?参加している選手全員、もうほとんどプロレベルですね。UCLAという大学があって、野球でもかなり有名で実力のある大学なんですけど、そこのエースとか4番とか、メジャーリーグが注目している選手たちだけが招待されて夏の間だけ試合を行うリーグ戦です。アメリカの大学野球のシーズンは秋、冬、春(公式戦は春のみ)で、夏のオフ期間に行われるのがサマーリーグなんです。そのサマーリーグにも色んなランクがあるんですけど、上手ければ「Called up」といって上のリーグから声が掛かるんです。自分は上から6番目のランクのサマーリーグから「Called up」で一番上の「ケープコッドリーグ」に上がりました。(補足:創設1885年 アメリカでも有名な大学サマーリーグの一つ。大学生のトップレベルが集まる。これまで1000人以上のメジャーリーグ組織でプレイする選手を輩出している)——過去に「ケープコッドリーグ」でプレーした日本人選手はいるのでしょうか?自分でも調べてみたのですが、過去に1人だけ、アメリカ育ちの日本人の方がいたそうですけど、日本から留学してきた選手では自分だけではないかと思います。殺到したオファーからオレゴン大学を選んだ理由——マウントフッド大学での活躍もあり、数ある有名大学から奨学金のオファーが殺到したそうですね。その中からオレゴン大学を選んだ理由を教えてください。まず施設がすごいことですね。あとは毎年全米のTOP20に入る野球のレベルが高いということ。さっき話したUCLAよりもオレゴン大学とオレゴン州立大学はさらに上なんです。実はオレゴン州立大学からもオファーをもらっていたんですけど、そこのセカンドの選手がすごく上手いんです。去年はその選手が打率1位で自分が2位。最優秀選手もその選手に持って行かれて。だからその選手と違うチームに行って勝負がしたくてオレゴン大学を選びました。——そういった理由があったんですね。あとは自分はNIKEが好きなんですけど、オレゴン大学はNIKEのフィルナイト会長の出身校なんです。だからユニフォームなど全身がNIKEだったり、NIKEがスポーツ面を大々的にバックアップをしているそうです。——日本と根本的な部分から違うんですね。でも金銭的な負担を親にかけないという意味では良いことですね。金銭的な話でいうと、こっちでは奨学金も返さなくていいんです。奨学金にもランクみたいなものがあって、自分は400万円くらいは奨学金でカバーされる予定です。 目標はメジャーでプレー、そして会社経営 ——アメリカに留学して一番大変なこと何でしたか?大変なことはやっぱり勉強ですね。日本ではテストで点数が取れなくても正直野球はできてきましたから。こっちにきて英語で勉強をする大変さを感じるというよりも、そもそも勉強の仕方を知らなかったですから(笑)。そこをアメリカにきて1から学んでいる感じです。——アメリカの大学ではいくら野球が上手くても、勉強の成績が悪いと試合に出られないと聞きました。そうですね。単位を落とした子を試合に出すとチームが試合に出られなくなってしまいますから。だから試合に出たいんだったら勉強も頑張らないといけないんです。そこが日本の大学とは全然違うところだと思います。——アメリカに留学して良かったと感じることは何ですか?よく考えて野球ができるようになったことですね。1人の時間が多いですから考えることが多くなりましたね。高校でももちろん考えてやっていましたけど、より野球に向き合えるようになりました。日本では8時間くらい練習するじゃないですか? 練習をこなすだけで精一杯だった部分もありましたし、お腹いっぱいになりますよね。こっちは1日2時間しか練習をしないんです。週に1日はオフもとらなえければいけないと大学連盟で決められてもいます。だから必然的に足りない部分があれば自分でトレーニングをしたりしますし、自分と向き合う時間も増えますから、野球のことをより考えるようになりますね。——今後の目標を教えてください。オレンゴン大学ではまずはレギュラーを獲ること。そしてカンファレンスで優勝することですね。卒業後はMLBのドラフトに掛かることですね。その先は日本、アメリカを問わず会社経営をしたいですね。そこは日本にいるときからブレていないです。——最後に日本の高校球児達に向けてひと言お願いします。高校野球を頑張っていれば、日本の大学だろうがアメリカの大学だろうが、野球を辞めても充実した生活を送れると思います。だからまずは目標を持って、目の前の野球を頑張ってください。西田さんのお話を聞いていると、高校卒業後の選択肢を日本だけに限定する必要はないと感じます。選択肢を広げることで、自分の可能性も大きく広がります。卒業後の自分の進路、じっくり考えてみましょう。 プロフィール 西田陸浮(にしだ・りくう)170cm70kg。大阪府枚方市出身。野球を始めたのは小学校から。中学では2年まで野球チームに所属せず、3年になってから「野球で進学したい」と思い、北大阪ボーイズに所属。高校は親元を離れて東北高校へ進学。東北大会準優勝という成績を収めたが甲子園出場はならなかった。現在マウントフッド大学2年。この秋からオレゴン大学に入学予定。 アメリカ野球留学はアスリートブランドで! 高校野球部向けの無料説明会も実施中http://www.athlete-brand.com/03-3230-0036(代表)

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