【高校野球本レビュー】『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない!』

野球ライター「菊池選手」こと菊地高弘さんの著作、『オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない!』を紹介します。

オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない!
オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない!

オレたちは「ガイジン部隊」なんかじゃない!

ガイジン部隊」。いわゆる野球留学をする選手を多く抱える学校への、多分に批判的なニュアンスが込められた言葉です。

そういった学校に対して、世間の大方のイメージは「あの学校は選手を集めてるから勝って当たり前」「一日中練習ばかりしてるから強いんだろう」「選手たちは野球をするためにその学校に行っているだけ」・・・程度に留まっていることがほとんどじゃないでしょうか?

この本では、野球留学校としてよく名前が挙がる8校が取り上げられ、実際にどんな野球生活が送られているのか、選手たちの心の内や成長の様子など、著者の丁寧な取材を元に掘り下げられていきます。

掲載されている学校

どのエピソードからも伝わってくるのは、はるばる県外からやってきた選手が知らない土地・学校を好きになりなじんでいく様子や、その選手たちを気持ちよく応援してくれる地域の人たちの温かさ。

そして、もちろんのこと、学校や関係者が熱心に取り組んでいて、高校野球生活を送る場としてとても魅力的であること。

その学校に魅力がなければ、これだけの選手たちが年々集まり続けるわけがない、という現実がそれを物語っています。

この本を読み終えた頃には、それまで野球留学に肯定的だった人も否定的だった人も合わせて、きっとこれらの学校も応援したくなっていることでしょう。

高校野球ファンに限らず、色々な立場の方に手にとって欲しい一冊でした。

この記事を書いた人

ライター球太郎