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「堅実な野球」をベースに守備から攻撃へ前編はこちら→ 2025年10月21日から、桐蔭学園の指揮を執る小倉丞太郎新監督。自身は、社会人野球までピッチャーとして活躍し、桐蔭学園でもおよそ20年、ピッチャーの指導を担当してきた。甲子園に再び戻るために、どんなチーム作りを目指しているのか――。「とにかく、まずは守備です。バッテリーを中心に守れないことには、試合にならない。ベースにしたいのは、『堅実な野球』。選手たちにも、『おれは守備を見るようにするからね』と伝えてあります。監督が守備を重視していることをわかってほしいので」当然、打てなければ甲子園は見えてこないが、それは「堅実に守れる」という前提があってこその話だ。「特にキャッチャー、セカンド、ショート、センターは守備重視で考えています。それは捕る、投げるの部分だけでなく、周りへの声かけや指示を含めて。その一声がチームを救うこともある。『あいつがいるだけで、チームが整う』と言われるような選手がひとりでも多くいるのが理想。広い意味での人間性として、ミーティングでよく話をしています」守りがあっての攻撃。ロースコアの接戦に持ち込めれば、どんな相手にでも勝機は生まれる。「大学(東京学芸大)時代は、弱者の立場だったので、強者に勝つための野球をひたすら考えていました。桐蔭学園に来てからよく覚えているのは、佐相眞澄先生が川崎北を率いていたときに、うちにコールドで勝った試合です。無死一塁からエンドランを仕掛けるなどして、ビッグイニングを作りました。強者の立場であれば、セオリー通りに送りバントでいいわけです。今の桐蔭学園が、横浜や東海大相模に勝とうとしたときには、弱者の考えが絶対に必要だと思っています。そのために、選手に求めているのがキラーカードです」「必殺技」と置き換えてもいいだろう。「絶対にセーフティバントやエンドランは決めるなど、ひとりひとりが武器を持っておく。最優先事項は『堅実な野球』として、そのうえで攻撃の引き出しを増やしていく。まだまだ時間はかかりますが、『こういう野球をやりたいんだよ。だから、お前にはこれができるようになってほしい』と、ひとりひとりに伝えています」キーマンを聞くと、ピッチャーと外野を兼任する中軸の奥青空の名前が挙がった。「選手としても、人間的にも、チームへの影響力が大きい選手。奥がさらに伸びていくと、面白い広がりが見られるかなと思います」チームスローガンは『自徹』キーマンに挙がった奥と1年生でショートを守る間野仁徠が副キャプテン、2年生の正捕手・坂間拓海がキャプテンを務める。小倉監督曰く、「声でチームを鼓舞するリーダーシップタイプではなく、グラウンドでのプレーで見せるタイプ」。強く引っ張ることを要求すると、「拓海の良さが薄れてしまうかな」と、無理強いはしていない。キャプテンは、監督が代わってからのチームの変化をどのように感じているのか。リアルな声を紹介したい。 監督とは思ったことを言える関係 ――選手から見た小倉監督はどんな人ですか。坂間 選手のことを第一に考えてくれる監督です。寮で週4日は泊まってくれていて、選手ひとりひとりと、この先の目標などを一緒に考えてくれています。――監督との距離は近そうですね。坂間 結構近いと思います。思ったことを言える関係であるので、やりやすいです。『この練習メニューをこんなふうに変えたい』といったことも話せるようになっています。――昨秋は川和に3回戦で敗退。それ以降、大事にしてきたことはありますか。坂間 負けてから、監督が代わったこともあって、チームで話し合うことが増えました。みんなで変えようとしているのは、自分たちで練習を作っていくこと。そうしないと、技術的にも身体的にも伸びていかない。それまではやらされている感じが強くて、それじゃあ強くなれないなって。 ――今のチームのスローガンはありますか。坂間 これも秋に負けてから、選手間で考えたんですけど、『自徹』です。自ら何事にも徹底的に取り組む。徹することで、地面が固まり、それをベースにしてどんどん積み上げられればと思っています。――夏の目標は。坂間 甲子園です。春の関東に行って、夏の甲子園に行くことが目標です。技術面も体力面も、ひとりひとりがしっかりと考えを持って、毎日を過ごしていけば、決して届かない場所ではないと思っています。(取材・文:大利実/写真:編集部) 関連記事 【桐蔭学園】小倉丞太郎監督|監督から心を開き、話しやすい雰囲気を作る2026.1.7 学校・チーム 【桐蔭学園】キャプテン・柿崎颯馬「上位に勝ち上がってくるチームはみんなライバル」2017.2.6 選手 【桐蔭学園】選手の課題に応じたティーバッティングと投手の体幹トレーニング2017.2.2 学校・チーム 【桐蔭学園】多彩な引き出しを持つ大川監督ならではのバッティング練習2017.2.1 学校・チーム
元記事リンク:【桐蔭学園】選手に求めているのは、攻撃の引き出しを増やす「キラーカード」
