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先日紹介した「熱中症対策とその先を再確認しよう!夏に球児を輝かせたHEROコーチの武勇伝」でお話を伺った、強豪高校のトレーナーも務める塚原謙太郎さん。その塚原さんが最新著書「甲子園強豪校の880日トレーニング論」(竹書房)の中で熱中症対策として「身体の中にダムを作る」と話されていました。どういう理論なのか、お話しを伺いました。 「体内ダム理論」ってなんだ!? ーー塚原さんは著書の中で熱中症対策として「身体の中にダムを作る」というお話をされていますね。試合や練習中に「水分をたくさんとれ」ということが言われていますよね。でもこれは熱中症予防のほんの一部分にすぎないんです。ーーどういうことでしょう?試合や練習中に水分を摂ることは体温を下げる役割に過ぎません。「身体の中にダムを作る」とは細胞組織の中に一定水準の水分量を保っておくという考えです。身体の中を常にみずみずしい状態にしておくことで熱中症を防ぎます。熱中症になる人の多くは絶対的に身体の中の水分量が不足していますから。ーー体の中のどこに水分を貯めておくのでしょうか?ずばり筋肉です。実は筋肉の80%は水分でできているのです。つまり体の中に水分を貯めておくためには筋肉量を増やす必要があるということになります。ーー筋肉が多い人ほど体内に水分を貯めておく量が増えるということでしょうか?はい。ですのでウエイトトレーニングは熱中症の予防の観点からもとても大切になります。筋肉量が増えれば水分を蓄えるダムが大きくなり、逆に筋肉量が少なければいくら水分を摂取しても身体の中に貯めておける量が少ないですからね。ーーそれでは、熱中症を防ぐためには今日から筋トレをガンガンやればいいのでしょうか?いえ、このダム作りは今からやって直ぐに効果がでる訳ではありません。1年中、身体の中に水を貯め込むことで、みずみずしい状態で夏を迎えることができるのです。特に大事なのが熱中症とは無縁に思える冬場の水分補給です。ーーなぜ冬場の水分補給が熱中症対策になるのでしょうか?冬場は夏に比べると汗をかきにくいですよね? そうするとどうしても水分量が少なくなるのですが、寝ているときも汗はかいていますし、夏ほどではないにしても練習中にも発汗があります。ですので私が指導している高校では、冬場でも選手たちのそばに水分を用意させて適宜水分補給を行わせています。ーー具体的にどれくらいの水分補給をさせているのでしょうか?選手には朝500ミリリットル、夜500ミリリットルの水を飲むことを勧めています。練習時間外に合計1リットルの水分補給をすることが目安ですね。気温が上がり汗を大量にかく時期になったら水ではなくミネラルが入っている麦茶に変えています。ーー水ではダメなのですか?汗と一緒にミネラルが体外に流れ出ることが熱中症の原因の一つにもなります。ですので体外に流れ出たミネラルを補うためにも水よりも麦茶の方がいいですね。ーー緑茶でも大丈夫ですか?緑茶だと利尿作用成分が含まれていますから、尿として水分が出されてしまうので注意が必要ですね。ーースポーツドリンクはどうでしょうか?スポーツドリンクは試合前に飲むのがより効果的ですね。一見すると関係がなさそうに思える冬場の水分補給と筋トレが夏場の熱中症対策としてとても大事なんですね。ありがとうございました。「来年夏の熱中症対策は今から始まっている!」、そう考えて冬場も通して1年中水分補給を忘れないようにしましょう。 塚原謙太郎 1974年生まれ、東京都出身。東北福祉大〜日本生命と硬式野球を続け、社会人でも5年間プレーを続けたのち、トレーニングの専門学校へ入学しトレーナーの道へ。現在は花咲徳栄高校、健大高崎高校など高校野球部数校のトレーニングサポートや各種セミナーの講師を務めるなど幅広い活動を行っている。 関連記事 熱中症対策とその先を再確認しよう! 夏に球児を輝かせたHEROコーチの武勇伝2020.8.13 PR 熱中症になりやすい危険因子2015.7.13 トレーニング 熱中症の一つ「筋けいれん」への対処法2016.7.11 トレーニング 猛暑での練習、ケガの予防や体調維持のために必要なこととは?2020.8.19 カラダづくり 水分補給をしていても脱水症状が起こる?夏場に起こりがちな自発的脱水の怖さ2016.5.19 カラダづくり
元記事リンク:甲子園優勝校のトレーナーが語る熱中症対策「体内ダム理論」
