【イチロー氏と女子野球】エキシビジョン試合と野球教室を実施。女子競技の技術力向上へ

【イチロー氏と女子野球】エキシビジョン試合と野球教室を実施。女子競技の技術力向上へ

女子高校選抜チームが12月18日、元マリナーズのイチロー氏が結成した草野球チーム『KOBE CHIBEN』とエキシビジョンマッチを実施した。試合後には野球教室も実施され、全国から選抜された23人の選手たちが真剣な表情で話を聞いていた。今夏には甲子園球場で史上初めて女子高校野球の試合が行われるなど、いま女子野球界は大きく飛躍しようとしている。イチロー氏が渾身の9回147球で完封勝利 エキシビジョンマッチは、イチロー氏がオリックス・ブルーウェーブ在籍時に本拠地として使用していたほっともっとフィールド神戸で行われた。9番投手として先発出場し、背番号は『51』ではなくエースナンバーを背負っていた。今回のイチロー氏との交流は、次世代の日本代表選手となる女子高校生の競技力向上などを目的として、全日本女子野球連盟と全国高等学校女子硬式野球連盟主催のもと実施。それぞれ違う高校に在籍している3年生が選抜され、全員が卒業後も野球を続ける予定だ。試合開始前には口々に「緊張する」と漏らし、1塁ベンチと対照的にそわそわしていた。 緊張と嬉しさがあふれる選抜チームメンバー 先頭打者の藤本莉央(岡山学芸館)が三振に抑えられると、その後もストレートだけで三者連続三振。2回には巨人女子チームへの入団が発表されている8番・吉安清(至学館)に対し、イチロー氏が初めてスライダーを投じ、続く3球目にこの日最速135キロのストレートを投げ三振を奪った。8回にはイチロー氏が右足を吊るアクシデントが発生。それでも球児のためにマウンドに立ち続ける雄姿に多くの選手が心も奪われた。イチロー氏は9回147球完封、17奪三振の“ガチ対決”だった。 TikTokフォロワー87万人の松本里乃(写真左/高知中央)も選抜入り 世界一の日本女子野球「女子の野球熱は男子に負けていない」 エキシビジョンマッチ後の野球教室では、背筋をまっすぐ伸ばしイチロー氏を直視する選手たちへ「僕、日本でやってたの知ってる? ここの球場で。オリックスで。結構打ってたんだよ、ここで」と笑顔で対応。イチロー氏の問いに選手たちは何度も頷いていた。彼女たちが生まれた2002年もしくは2003年、イチロー氏はすでにメジャーリーガーだったのだ。また、彼女たちが野球を始める頃には、262安打でMLBシーズン最多安打記録を84年ぶりに更新した『世界のイチロー』になっていた。 野球教室で質疑応答に対応するイチロー氏 イチロー氏は自身の技術論や精神論を惜しみなく教授し、野球教室後には「こんな緊張感はWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)以来じゃないかな。女子の野球熱は男子に全然負けていないと思うし、本当に今日は僕も負けたくなかった」と語った。イチロー氏も過去に選出された野球日本代表・侍ジャパンには女子チームも存在する。代表選手の中には現役大学生も含まれ、2年に1度開催されるワールドカップへ参加している。女子野球に対する認知度が低くく、残念なことにこのチームの快挙を知らない人は野球好きの中でも多い。侍ジャパン女子代表は、日本より女子野球文化が発展している欧米諸国やオーストラリアを抑え、2008年の初優勝以来なんと6連覇中だ。その日本代表を担う次世代育成としてイチロー氏も真剣に女子選抜チームと向き合った。女子プロ野球が休止状態にある今、NPB球団の女子チームへの入団を夢見ている選手が急増している。そしていつか日の丸を背負いたいと願う者も。今後さらにNPB球団傘下の女子チームは増えると予想されており、高校野球の聖地・甲子園での決勝と併せ、女子も男子に近い夢を抱けるようになってきている。(取材・文・写真:喜岡桜) 関連記事 男女それぞれの硬式野球部を甲子園へ導いた石原康司監督が考える「男子野球と女子野球の共通点」2021.9.5 学校・チーム 【甲子園での女子決勝迫る】神戸弘陵は最終調整。全日本選手権では社会人相手に勝利も2021.8.19 学校・チーム 【女子頂上決戦】超ダークホース高知中央。快進撃と意外なTikTok人気2021.8.18 学校・チーム 「野球の楽しさ伝わりやすい」女子野球の魅力をプレーでアピール!〜田中美羽(埼玉西武ライオンズ・レディース/内外野手)〜2021.7.30 選手 同じユニホームで応援できる誇り。甲子園でもホームランが見たい!|POCARI SWEAT presents 折尾愛真高校 女子硬式野球部2018.8.10 PR

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