【県立千葉】加賀谷一|まずは医師免許取得、その後全力でやってプロ野球を目指したい

【県立千葉】加賀谷一|まずは医師免許取得、その後全力でやってプロ野球を目指したい

1878年に創立した県立千葉高校。毎年、東京大をはじめ難関国立大学に多くの合格者を輩出することでも知られる千葉県でも指折りの進学校である。そんなチームに今年、プロも注目する投手がおり、さらに医師免許の取得とプロ野球選手の両方を目指しているという。そんな噂の選手に話を聞いた。練習は自分たちでやることを決める今年の入試では東京大に21人の合格者を輩出した県立千葉高校。これは千葉県内の公立高校ではトップの数字である。野球部は千葉中学時代に4度、千葉第一時代に2度夏の甲子園に出場しているが、現在の校名となった1961年以降の出場はなく、近年は強豪ひしめく千葉でなかなか上位進出を果たせずにいる。しかしそんなチームで今年プロから注目を集めているのがエースの加賀谷一投手だ。昨年には早くも140キロを計測しており、今年春の地区予選の磯辺戦では20奪三振もマークしたという。さらに将来のプロ入りと並行して、医学部への進学を目指しているという。そんな異能のエースのこれまでの歩みと、これからについて聞いた。——野球を始めたきっかけを教えてください 「父が関西出身で阪神ファンで、3歳上の兄も野球をしていたので、自然と自分も野球をやるようになりました。チームに入ったのは小学校1年生の時で、有吉メッツという地元の少年野球チームです。最初はセカンドから初めて、ピッチャー、キャッチャーもやっていました。——中学時代は強豪の京葉ボーイズでプレーしていたそうですが、そこから県立千葉を選んだ理由を教えてください。「小学校の時に付属の千葉中学を受験したのですが不合格でした。結局千葉大学の付属中学に進学しましたが、当時からまずは勉強をしっかりやるというのが一番で、高校もその理由で決めました」——最初に高校の野球部に入った時の印象はどうでしたか?「部員数が今よりも少なくて、1年生もほぼ全員ベンチに入れるような感じでしたが、意外と野球はしっかりできている印象でした。入学してすぐ練習試合の2試合目には投げさせてもらって、夏の大会も1/3回だけ投げました。1年秋からは主戦で投げています」——入部した時からスピードはどれくらいアップしましたか?「中学時代はちゃんと測ったことがなかったですが、128キロと言われたのを覚えています。去年の6月に東京大と試合をさせてもらって、その時に140キロが出て、回転数が2460くらいで、回転効率が99%と教えてもらいました」——普段の練習時間、練習メニューなどを教えてください 「月曜日はオフで、それ以外の日は大体2時間くらいです。7限まで授業がある日はもう少し少ないです。メニューは3年生が考えています。大体バッティングと守備に分かれて30分ずつくらい練習をして、残りの時間は個人がそれぞれ課題練習をするという感じが多いです。中学時代は言われたことをやっていましたが、ここでは基本的に自分たちでやることを決めて、監督は気になったことを言うという形です」——ピッチャーの個人練習はどんなことをしていますか?「キャッチャーを座らせてのピッチングは週1回か投げても2回程度です。球数は30球くらい。あとはフォームを固めるために重りを持って足を踏み出す動きや、サンドボールを持ってネットに投げるような練習をしています。他はストレッチなどですね」——投球練習で投げる数がかなり少ないように感じますが、それくらいの投球数でもレベルアップできるものですか?「そうですね。あと強豪チームと違うのは練習試合で投げる球数が多いので、それが一番の投球練習になっていると思います。シーズン中はほぼ毎週練習試合がありますし、自分は長いイニングを投げることが多いので」——スピードもかなり上がった要因としてはフォームが固まったことが大きいでしょうか?「それもありますし、あとはしっかり食べて体重が増えたことも大きいと思います。入学した時は65㎏くらいでしたが、今は79㎏まで増えました。母が栄養面なども考えて食事を用意してくれています」野球と勉強、両方やっていることが両方にプラス——自分の投球で自信があるところはどこですか?「やっぱりストレートが一番良いボールだと思います。球速というよりはボールの質ですね。さっき言った東京大との試合でのデータもその部分が出ているかなと思います」——勉強と野球の両立も大変だと思いますが、勉強の方はどれくらいしていますか?「練習が終わってから塾にも通っています。19時半から21時半くらいまでは塾で勉強しています。朝も授業が始まる30分前に来て、勉強の時間にあてています。自分は勉強か野球かどちらかに絞ると集中できなくて、どちらかがダメだった時に違う道があるという方が向いていると思うので、両立が大変とは思いません。両方をやっていることが両方にとってプラスになっていると思います」——勉強で苦労したことはありますか?「高校受験が終わってから入学するまでの間に遊び惚けていて、最初は勉強する習慣がなくてずっと取り残されていました。3年生になってやっと少し追いついてきましたが、模試の結果は全然ダメなので焦っています」——将来の目標は医師免許を取得したうえでプロ野球選手も目指すと聞きましたが。「母が医師で、自分も中学2年くらいのときに医師を目指そうと思うようになりました。自分がやったことに対して直接のやりがいが欲しいタイプなので、目に見えやすい外科が良いなと思っています。まずは医学部に合格して医師免許をとって人生の基本を作ってから、野球はその後全力でやってプロを目指したいです」——プロ野球選手になってから医師になるのではなく、先に医師免許をとってからプロ野球選手を目指す?「そうですね。もしドラフト指名があったらプロ野球選手が先ということも考えますが、今の実力では指名はないと思うので、まずは医学部に行くことを優先で考えています」——高校野球もあとわずかですが、最後の夏に向けての目標と、さらにその後の目標についても改めてお願いします。「チームとしては県でベスト16が目標です。個人としてはスピードは145キロ、できれば140キロ台後半を投げたいです。その後は先ほども言いましたが、しっかり勉強で人生の基本を作ってから、もう一度野球を全力でできればと思っています」昨年までくふうハヤテ(現・ハヤテ)でプレーしていた竹内奎人氏は静岡高校卒業後に群馬大の医学部に進み、NPBのファームでプレーしながら医師免許を取得したことも話題となった。しかし過去に医師免許を取得してからNPBのドラフト会議で指名された選手はいない。その道は当然簡単なものではないが、大谷翔平の二刀流も挑戦当初は無理という声が多かっただけに、加賀谷の挑戦も決して不可能ではないはずだ。多様化の時代だからこそ、今までになかった道を新たに切り拓いてくれることを期待したい。(取材:西尾典文/写真:編集部) 関連記事 【市立松戸】広瀬結煌|やらされているのではなくて、楽しみながらやっている2024.12.21 選手 【市立松戸】朝隈智雄監督|その選手に上手くはまるトレーニングを見つける2024.12.16 学校・チーム 【市立松戸】朝隈智雄監督|大事にしているのは、ゲーム数、トレーニング、修正に対するコツの提示2024.12.7 学校・チーム 【中央学院】甲子園で敗れて学んだ、「細かな優先順位」を決めておくことの大切さ2024.3.27 学校・チーム 【中央学院】相馬幸樹監督|意識しすぎた強みとストロングポイント2024.3.20 学校・チーム 【市立船橋】海上雄大監督|大事なことは「ミーティング」でしっかり伝える2024.1.13 学校・チーム 【市立船橋】海上雄大監督|部長時代に感じた試合当日の違和感、監督に共有しなかった後悔2024.1.4 学校・チーム 【専大松戸】名伯楽・持丸監督に訊く「投手育成論」(後編)2022.4.11 学校・チーム 【専大松戸】名伯楽・持丸監督に訊く「投手育成論」(前編)2022.4.8 学校・チーム

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